産後、夫にイライラする―一生懸命やってくれる良い夫なのに―
赤ちゃんが生まれてから、夫にイライラすることが増えた。
以前なら気にならなかった一言に腹が立つ。家事をしてくれても、なぜか素直に「ありがとう」と言えない。
あんなに大好きだったのに、どうしてこんなにイライラしてしまうんだろう。
怒ったあとで夫の顔を見ると、今度は申し訳なくなる。「私の気持ちが変わってしまったのかな」と、不安になることもあるかもしれません。
産後のイライラは、ホルモンの変化だけが理由?
出産後は、体が回復していく途中にあり、ホルモンの状態も大きく変わります。眠れない夜も続きます。気持ちに余裕がなくなるのは、無理もないことです。
でも、イライラの理由はそれだけでしょうか。
家事や育児を「考えて、指示する」負担
たとえば夫が「何かやることある?」と聞いてくれる。手伝うつもりで言っているのは、わかる。けれど、こちらは赤ちゃんの次の授乳やおむつ、洗濯物、夕飯のことまで、ずっと頭の中で考えています。
「哺乳瓶を洗って」と頼めば洗ってくれる。でも、洗剤の補充が必要か、乾いた哺乳瓶をどこにしまうか、次に使うまでに何本必要かを考えるのは自分。ひとつ終わるたびに、次の指示を出す。
「何をしたらいい?」ではなく、あなたも気づいて、自分で考えて動いてほしい。
そう言いたいのに、どこから説明すれば伝わるのかわからない。説明すること自体が、もうひとつの仕事のように感じられます。
夫も、夫なりに頑張っているのかもしれません。仕事から帰って家事をして、赤ちゃんを抱っこしてくれる。それを見ているからこそ、「やってくれているのに、まだ不満があるなんて」と、自分を責めることもあります。
けれど、夫が頑張っていることと、自分の負担が重いことは、同時に起こります。してくれた家事の数だけでは埋まらない、「暮らしを回すために考え続ける負担」があるからです。
産後の悩みを夫に話しても、伝わらない孤独
そして、ときには家事以上につらいことがあります。
赤ちゃんが泣きやまなかった日のこと。授乳がうまくいかず、自分まで泣きたくなったこと。「母親なのに、こんなふうに思っていいのかな」という気持ち。やっと夫に話せたのに、「考えすぎじゃない?」「少し休めば?」と返ってくる。
夫は励ましたかったのかもしれません。それでも、そのとき欲しかったのは解決策ではなく、「そんな一日だったんだね」と受け止めてもらうことだった。いちばん近くにいる人に伝わらないと、ひとりで赤ちゃんを育てているような寂しさが残ります。
夫にイライラする自分を、責めないで
好きだったはずの人に腹が立つ。頼りたいのに、頼れない。そのことを、いちばん悲しく思っているのは自分かもしれません。
夫へのイライラの中には、怒りだけでなく、疲れや寂しさ、「一緒に考えてほしい」「わかってほしい」という願いが混ざっていることがあります。イライラする自分を責める前に、その奥にある気持ちにも目を向けてみてください。
すぐに夫婦でうまく話し合えなくても、まずは「今日は何を頼みたかったのか」「何が伝わらなくて寂しかったのか」を、少しずつ言葉にしてみる。自分でも気づいていなかった負担が見えてくるかもしれません。
その気持ちを、ひとりで整理しなくても大丈夫です。
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