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甘えとは何でしょう

執筆者の写真: mari koga
mari koga
7月8日
読了時間: 3分

甘えとは何でしょう


「甘え」という言葉を聞くと、どのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。


「わがまま」?


「自立していない」?

「子どもっぽい」?


そんな印象を持つ方もいるかもしれません。


しかし、心理学では「甘え」は、もう少し違った視点から捉えられています。


「甘え」という見方


精神科医の土居健郎は、『甘えの構造』の中で、「甘え」を人との関係の中で生まれる心の働きとして考えました。


甘えとは、安心できる相手に受け止めてもらえることを期待し、その人とのつながりの中に身を置こうとする気持ちです。


これは、単なる「わがまま」や「依存」とは異なります。


私たちは子どもの頃、親や養育者に抱っこを求めたり、泣いて助けを求めたりしながら育っていきます。


「困ったときには助けてもらえる」


「自分の気持ちは受け止めてもらえる」


そんな安心感を土台に、人との関係を築いていきます。


大人にも「甘え」はあります


「甘え」というと、子どものもののように感じるかもしれません。


けれど、大人になってからも、甘える気持ちがなくなるわけではありません。


疲れた日に誰かに話を聞いてほしいと思うこと。


落ち込んだときに「大丈夫だよ」と言ってもらいたいと思うこと。


安心できる人の前では、少し弱い自分を見せられること。


たとえば、仕事で疲れて帰った日に、家族やパートナーに「今日はもう何もしたくない」とこぼして、夕食の準備を少し頼むような場面も、その一つです。


これらも、人との信頼関係の中で生まれる自然な心の動きです。


また、「甘え」には、相手が自分の気持ちを察してくれることへの期待も含まれます。


「疲れていることに気づいてほしい」


「何も言わなくても、つらい気持ちをわかってほしい」


「あの人なら、きっと理解してくれると思っていたのに」


そんなふうに感じた経験はありませんか。


安心できる相手だからこそ、「言わなくてもわかってほしい」という期待を抱くことがあります。


そして、その期待が満たされなかったとき、


「どうして気づいてくれないんだろう」


「わかってくれると思っていたのに」


と、寂しさや悲しさを感じることがあります。


こうした気持ちも、「甘え」という視点から理解することができます。


相談することも、「甘え」の一つかもしれません


前回のコラムでは、「相談できない自分にも理由があります」というお話を書きました。


もし「甘え」が、安心できる相手に心を委ねることだとすれば、誰かに悩みを話すこともまた、「甘え」の一つの形と考えられるのかもしれません。


困っていることを伝えること。


弱さを見せること。


誰かに支えてもらうこと。


それは、自立していないことではありません。


人と人とのつながりの中で生きていくための、大切な心の動きなのです。


もちろん、「甘え」という言葉にはさまざまな捉え方があります。


ですが、「甘えることは悪いことではない」という見方を知ることで、自分や周りの人を少し違った角度から理解できるようになることがあります。


甘えることが苦手な人は、「甘えてはいけない」と思いながら、一人で頑張り続けていることもあります。


次回は、「甘えられない人」について考えてみたいと思います。

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